文化による地域復興を目指して

全国都市問題会議に参加をしました。
劇作家平田オリザさん、ずっとずっと会ってみたかった人です。
姿を見れるなんて!と参加する前からわくわくしっぱなしでした。
議員になってよかった!(違うか)

平田オリザさんが講演してくれたのは「文化による地域復興を目指して」
被災地の復興には巨額の財政支出が必要となるが、それによる地域の自立を妨げる復興のジレンマが起こる。そこで何が必要かというと「文化」である。

文化によるコミュニティ形成の力で復興が早まる。平田さんはそうおっしゃっていました。

かつての生活空間には無意識のセーフティーネットがありました。床屋さん、駄菓子屋さん、銭湯などで、子どもたちはコミュニケーションを学びました。床屋さんでは三軒隣りの家庭の事情を垣間見、隣の見知らぬおじさんに囲碁を教えてもらい、そこで間違ったことをすれば店主やおじさんに怒られるのです。駄菓子屋では金銭感覚を養い、銭湯では知らないおじさんと仲良くなったりします。そんな風にして子どもは育ったのです。つまり重層性のある社会だったというわけです。
しかし今は若者の居場所がなくなり、カラオケやゲーセンで時間を潰すようになりました。単一社会では子どもは生きづらいのです。
そのことが不登校や引きこもりなどドロップアウトした若者をすくいづらくしている要因だとおっしゃっていました。
やはりそこに新しい広場が重要になってきます。コンビニや公園以外にも美術館、映画館、劇場、音楽ホールなど、芸術に触れられる所を若者の居場所として提供することが必要です。芸術の場を居場所にすることで、非行へ走る子どもも減ってくるのです。

文化によるまちづくりは弱者にやさしいまちになります。なぜなら弱者が社会参加しやすいまちに必然的になるらです。今までの誰かが誰かを知っている強固な共同体から、誰かが誰かを知っている緩やかなネットワーク社会をつくることが必要です。
そして社会参加と芸術をつなげていくのです。

文化による社会包摂と、平田さんはおっしゃっていました。新しい言葉ですよね!(感動・・・!)人間を孤立させない。地縁、血縁型社会の崩壊や長期化する不況によって孤立しがちな人間を文化活動などにより社会にもう一度包摂していくのです。そのためには公共文化施設の役割が大変重要になってくるのです。

これから復興に必要になってくるのは文化によるコミュニティの回復と、ソフトの地産地消、被災地の子どもたちの体験を形に残す表現活動、市民参加型の地元の人たちが一番に楽しめるようなイベントを数々行って行くことが必要だとおっしゃっていました。そして地域のための教育、人材育成が必要だともおっしゃっていました。

復興というテーマでしたが、疲弊する地方自治体に光をさすような内容だったと思います。とっても勉強になりましたし、芸術でのまちおこしというものは私も必要だと感じていたので、このお話を聞けて心強く感じました。

いまこそ、どの自治体でも文化による社会包摂が必要です!
それがまちを生き返らせる一つの力に必ずなるはず!!!

 

前の記事

日々雑感

次の記事

運動会!