生活困窮者支援シンポジウムと12月一般質問その1

今回の12月の一般質問でも取り上げた生活困窮状態にある方への支援。今回は多重債務の切り口から質問をしました。
多重債務で首が回らなくなり、生活困窮状態になる方は年々増えています。税金滞納者の方でも、多重債務で苦しんでいる方がいます。昭島市でも年間50件ほどの多重債務の相談があります。その苦しんでいる方へ、まず、相談に来てもらうためには相談していい場所があることを知ってもらうこと。また、きちんと一人ひとりの状況を見極め、おかしいと思ったら専門の所へつないで行くことが自治体で出来ることであり、やって行かなくてはならない事ではないでしょうか。

そんな中で今回は基本的な考え方、また、現在多重債務者については、昭島市は消費者相談につないで居るとの事だが、HPや広報、SNSなどでもっとピーアールをしていくこと、また東京都が行っている生活サポート基金などへつなぐことが大事なのではないか、そして税金滞納者は多重債務者であることが多く、他の自治体では税金滞納のお知らせを送る際には、生活サポート基金へつなげるお知らせを必ず入れていることにヒントを得て、封筒に入れてみたり、封筒の表面や裏面に消費者相談に相談してくださいと一言文言を入れておけばつながるのではないかという提案をさせていただきました。

昭島市でも現状は認識しているようで、広報、啓発など、また、封筒に書き込んで行くことについても検討すると前向きな答弁をいただきました。少しずつでも、苦しんでいる人に寄り添った支援が出来るところへつなげて行くような取り組みができると良いなと考えています。
早速、ツイッターでは多重債務に悩んだら~という文章が流れていました。一歩一歩進んでいくように、これからも注目していきたいと考えています。

そんな中で、生活困窮者自立支援法が12月6日に成立となり、平成27年四月に施行となります。現在、生活保護受給者は215万1843人(H.25・4月速報値)になっています。今まで、高齢者や母子世帯、傷病、障害者世帯に多く見られた生活保護ですが、平成15年度からの10年間でその他の世帯が3倍にも増えています。その他の世帯のうちの年齢階級別にみた世帯員の構成割合は20~29歳は5.9%、50歳以上は53.5%にもなります。つまりは、リストラなどで職を失い、その後財産を使い果たした人達が増えていると言うことです。その方達に、今、どういう支援が必要か、考えていかなくては行けません。
今回、生活困窮者支援制度支援シンポジウム
家計相談支援で生き方を変える!希望につなぐ!
~自立相談支援が生きる家計相談支援とは~
へ参加して来ました。

その中で厚生労働省の生活困窮者自立支援室長のおっしゃっていた事に、少なからず恐怖を感じたのは私だけでしょうか。
何と言っても今回の法律は、自治体の裁量にゆだねられているということです。それは何を指すかというと、新しい発想でどんどんこの支援法を使って施策が行われていく自治体と、お金がないからと足踏みして、いつまでも小手先のみの対応になる自治体とに分かれてしまう恐れがあるのです。また、この生活困窮者自立支援法は地域にあるNPOや社会福祉法人、自治会、民生委員、などと密に連携し、包括的な支援体制をつくり、それがひいては地域作りにつながっていくという壮大なスケールで語られています。と言うことは、行政がそういう団体のつなぎ役になり、困窮者の掘り起こしを連携して行っていくという事、そこにはたくさんの熱意ある人材が強力なタッグを組んで問題に取り組んでいかなくてはならないのです。そんなことが、この昭島市で出来るのか!?と、大変不安になった限りです。ただでさえ、職員削減がなされ余力のない昭島市が、果たしてこの問題にどう立ち向かって行くのか。これから施行まで、きちんとチェックをして行かなくてはならないなと感じています。

今回のシンポジウムでは家計相談支援と言うところに注目して行われました。家計相談支援とは、一人ひとりが毎月どれだけの収入が有り、支出はそれに対してどのくらいあるのかと言うことを表に記入していきます。すると、何にお金が使われ、果たしてそれが本当に今の収入に見合っているのか、また、この支出はは押さえることが出来るから、それは違うとことにあててなどと相談しながら赤字を解消し、生活再建していくそうです。
働き方にも理由があるのですが、お金の使い方が分からない人たちは多く、使いすぎて生活困窮に陥る方が多いのです。
そういう方達にきちんとお金をどう使うのかということを一緒に考えてくれ、生活を立て直してくれるのが家計相談支援です。この生活困窮者自立支援法では自立相談支援事業と住居確保給付金は必須事業となるため行われますが、そこに任意事業となる家計相談支援が合わさる事で更に生活困窮者の生活再建が見込まれます。どの自治体でも自立相談支援と家計相談支援がセットで行われていくことが必要なのだなと実感しました。

今回は家計相談支援の有効性に特化したお話でしたが、是非、就労支援という観点からもまた話をききたいなと思いました。大変勉強になったシンポジウムでした。

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