東京自治研究センターの伊藤さんが、「民間委託等の課題と市民参加の展望」と題して、説明してくださいました。公契約に関して、公契約条例制定の運動が各地に広がっていること、行政が安上がりのためだけに事業を委託するのでは、労働条件が悪くなり、賃金の低下にもつながり行政サービスの質にも関わってくる。本来、なぜ委託するのかを検討し指定管理者制度にするのかPFI(プライベート・ファイナンス・イニシアチブ)が良いのかそれぞれのケースに応じて考えるべきである。導入可能性調査が重要で、市民の声をいかに反映するかが課題である。
指定管理者の場合は病院などの大規模改修をともなう建物に関しては15年の契約では短く、保育所や福祉施設のような人的サービスの事業では現在5年程度の契約が多いが安定雇用・質の向上のためには10年以上を考えるべきである。そして、駅前など利益追求が可能な立地条件ならば指定管理者に任せることも考えられるが、儲からないような市民交流センターなど行政の義務としてのサービス提供に関しては行政が直営でやらなければならない。
府中市の図書館の例では、建物はメンテナンスを含めPFIで、図書館のレファレンス業務は市の直営、併設の市民会館は財団の指定管理者、というように一つの建物が複雑になっているそうだ。
今後、昭島市の図書館がどうなるのか、今年度の補正予算700万円がついているので、調査がされることだが、どれだけの市民の意見・要望が吸い上げられ、生かされていくのか市民参加条例の無い昭島市にとって市民の参画・参加は保障されていません。