和光市の地域包括ケアシステムの実践

先日、生活者ネットワーク多摩北エリア認知症チームで和光市へ行ってまいりました。
今回の視察では今、とても話題になっている和光市の地域包括ケアシステムについてお話を聞いて参りました。 

和光市は都心に近いベッドタウンで、団塊の世代の方の人口が多く、人口は8万人。
和光市では早くから介護予防事業に取り組み、地域の生活状況、ニーズの把握をし、それを踏まえた在宅重視の施策の展開をしています。 
2025年に訪れる高齢社会を踏まえると、高齢者ケア、のニーズの増大、単独世代の増大、認知症を有する者の増大が想定され、介護保険サービスや、医療保険サービスのみならず見守り等の様々な生活支援や成年後見等の権利擁護や住居の保障、低所得者への支援等、切れ目なく提供されることが必要になります。縦割りをシームレスにし、多職種連携で行って行かなくては対応などできない社会になります。そこで地域において包括的、継続的につないでいく仕組み「地域包括ケアシステム」が必要になります。
この制度変化にきちんと対応するための施策が和光市では行われています。

和光市では特養は60ベッドほどしかありません。「在宅で支える」ことに重点が置かれています。元気なお年寄りに 地域にいつまでもいてもらう、そのために医療と介護の密な連携や、その人その人にあったサービスのコーディネイトが行われます。
まずはマクロで高齢者個別の課題、地域の課題を把握し、介護保険事業計画等へ反映をさせます。そして「わがまち」 の高齢者等の課題解決を図る支援基盤、地域包括支援ネットワークを構築します。そしてミクロでケアマネジメント、自立支援、予防、重度化防止、人材育成が行われ、そのミクロとマクロをつなげるのが和光市コミュニティケア会議です。個々のケアマネジメント支援、要介護者、家族に対する支援が話し合われます。このマクロの計画とミクロのケアマネジメント支援がしっかりつながり、一人一人オーダーメイドの医療と介護が連携した質の高いケアプランが作成されます。
そして、「認定率を下げる」為に介護予防に力を入れています。 和光市の認定率は10%ほど。軽度、要介護の1,2にどう力を入れていくか考えているそうです。人は骨さえ元気なら動けるそうです。そのための、動けるようになるための支援を行って、地域で元気に過ごしてもらうための支援を行っています。

和光市の第六期の保険料は4228円。前期計画比1.9%の引き上げにとどまりました。

また、地域住民への情報提供にも労力を怠らずパブコメをする前段階から情報を出して市民理解も進むよう努めたとのこと。 

部長さんが話をされたのですが、「これを行うには自治体の覚悟がいる」とお話しされていました。
また、「くだらない行政の縦割りは取り払う。」「世帯全員を支援する、市民目線でどういうことが役立つのかを考える。 」等と明言ばかりで心が震えました。
今、和光市では高齢者福祉にとどまらず、障害児・者、子ども子育て、生活困窮者に拡大していくことを行っているそう。「地域包括ケアシステムの包括化の実現」というのだそう。
和光市民に対する地域包括ケアマネジメントの提供をするそうです。
素晴らしい取組のお話を聞けて感動しっぱなしであったと同時に、昭島市は「わがまち」昭島の課題解決に正面から取り組む「覚悟」があるのか疑問に思いました。
 

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