新城市視察 若者議会

穂積市長の第三期のマニフェストの一つには「若者が活躍するまち」と宣言されていました。新城市は消滅可能性都市とされ、人口動態から見ても将来若者がまちからいなくなる予測もされています。シルバーデモクラシーの為若者に不利な政策や声が届かないなどの課題や、若者の声を拾えないこと、現状が分からないことから2014年から一年をかけて若者政策ワーキングを行いました。

 

その前の2012年、新城市に住む若者が海外のニューキャッスル(新城)市と交流を行った際、海外の若者が自分の地域のことを真剣に語り合う姿に驚嘆し、一方新城市の若者は自分のまちを知らないことに非常に悔しさを感じたようです。その経験から新城ユースの会を設立し、活動していくこととなります。あるとき市民まちづくり集会という市民、行政、議員の意見交換の場があり、一部と二部で構成され、第二部を新城ユースの会が担うことととなり、その場が大成功。市民からも大変な反響があったようです。この活躍が市長を動かすこととなります。まちづくりには若者の声が必要であるとのことから第三期のマニフェストが作られました。

 

そして若者政策ワーキングが行われることになりますが、最初は人が集まらず、一本釣りで若者を集めるという策でどうにか集まった19名で発足しました。

最初の半年間はまちを巡ったりワークショップをしたりといろいろなことを行ってみますが当事者意識が芽生えないという課題がありました。あるとき若者の方から大臣制にしてやってみたいという話があり、大臣制を採用。それを市長の記者発表の場で公表することで市民の中でも盛り上がり、若者たちに責任感が生まれました。「責任」が若者たちを本気にさせていきます。

 

そして市長が変わってもこの若者議会を続けていくために条例制定を行っていきます。2014年12月議会で議決そして2015年、4月1日に新城市若者条例、新城市若者議会条例が作られました。

 

市長の付属機関として若者議会が発足されました。政策を作る若者集団として、1000万の予算がつけられました。政策を作る期間は5月後半から11月くらいまでで平日19時から21時で月二回程度の会議を行っていきます。6月に所信表明、7月に強化合宿、8月に中間報告、9.10月に再検討と地域意見交換会を経て11月に市長答申となります。任期は1年となっています。報酬は1回の会議につき3000円で、年齢は16歳から29歳までとなります。ちなみに初年度の予算事業に関する答申書は、「ふるさと情報館リノベーション事業」、「情報共有スペース設立事業」、「新城市若者議会特化型PR事業」、「いきいき健康づくり事業」、「おしゃべりしてりチケット事業」、「若者防災意識向上事業」の6点で予算総額は997万7千円でした。

 

各ワーキングチームで政策が練られ、予算答申となります。若者がここまで自分たちで行えるというのは本当にすごいことです。

 

最初は職員の方々も若者といえば「悪いことをする」というような感覚があったり、また面倒な仕事が増えた・・・という意識が無きにしも非ずの状況だったそうですが、若者たちの斬新なアイデアや、真剣な姿に大人が心を動かされ、周りも変わっていったそうです。

 

そして、若者議会が発足してから若者の投票率も上がったそう。すごいですよね。

 

若者の活躍でまちが変わる、活気づく、人材が育つ。信頼して任せる。若者を資源と考え、若者議会を成長の場としてとらえ、周りの人たちにも影響を与えてまちに誇りや愛着心を生む若者議会。

 

これはどこのまちでもやるしかないのではないでしょうか!!!!