安城市のごみ問題と取り組み

2日めは安城市に視察に行きました。

安城市は市長二期目の選挙公約である「市民一人当たりごみ減量20%」を目標に掲げごみ減量に取り組みました。

農家の多い安城市では平成10年に野焼きの禁止からごみが増量し始め、平成12年がピークとなり、プラ容器包装、古紙回収ステーション開始で少し減少するものの高止まりでした。その後平成19年に焼却炉が一基工事のために停止することになり、ごみの減量が必須になったのです。そのため市長がごみ20%削減を目標に掲げ、市、市民全体でごみ減量にまい進していくことになります。

まずは市民にアピールするためにごみ処理費用で小学校一校分が設置できるとアピール。ごみを減らすことが税金の有効活用につながるとアピールします。そして市にしかできないこと(ごみ発生、排出抑制への啓発・支援、再資源化への仕組みづくり)市民にしかできないこと(ごみの発生、排出抑制、再資源化への協力)を明確に役割分担し、ごみ減量へのアプローチへとつなげていきました。

ごみ減量、分別をテーマにまちかど講座を二年間で353回行い、町内会、集合住宅、市民自主グループなどの市民からの要望に応え講座を数多く開催して行きました。環境戦隊サルビアンを結成し、戦隊ヒーローもので市内幼稚園、保育園で公演を行いました。市立小学校21校の四年生はクリーンバスで環境学習を行い、施設見学も行われました。無関心層への働きかけとしては指定ごみ袋等をサイズダウンし、ごみ袋そのものを啓発ツールとしたこと。そして生ごみ減量化をたい肥化の支援を行い生ごみ処理機器設置補助金、生ごみ減量化モデル地域支援事業報償金で、地域で生ごみ減量やたい肥化方法を、実証的に実験を行うところに支援をしました。乾燥生ごみ資源化促進事業報償金は乾燥生ごみ1キロと生活改善団体が販売する100円分の野菜の交換を支援するというものです。

また、市民主導で「ごみ減量メダルクラブ実行委員会」が立ち上げられ、市民から市民へごみ減量を呼びかけする活動も行われました。PTAの総会でリーフレットを配布、着ぐるみを着てPR、アンケートの実施ありとあらゆる方法でごみ減量をPRしていきます。商店街が参加し、商店街連盟で市内253店舗の店がごみ減量推進店という店舗シールを貼って呼びかけました。市長も自ら駅前やスーパー等で街頭PRを実施しました。その結果21.4%のごみ減量を達成したのです。
その後は横ばいが続いていますが、30%減量を目標に活動を続けています。
しかし、市長の目標が健康都市に変わってしまったため、ごみ減量への熱が冷めてしまったのも事実。市長の意思はやはり政策に大きくかかわることを実感しました。
現在は市民が作るごみ30%減らし隊が結成され、活動をしています。また、総合リサイクルステーションエコランドがオープンし、総合的にリサイクルに取り組める施設もできました。環境クリーンセンターでは(焼却施設)生ごみをたい肥化し、市民に無料で配っています。農家が多い地域なので非常に人気があるそうです。また、地域クリーン推進員制度がつくられ、市内にある2,800か所のごみステーションの管理や地域の美化ごみの分別指導など行っているそうです。下火にはなったもののごみ減量施策は現在も着々と実行されて行っています。