会派視察2日目 雨水活用と大牟田市の居住支援

視察2日目は福岡大学の渡辺亮一先生から雨水活用のお話を聞きました。

まず、先生のご自宅へ。雨水活用を徹底的にする為に作られたお家です。
渡辺先生のご自宅は、総量45トンの雨水が溜められるようになっています。生活用水は17.5トン貯められるそうです。

雨樋から流れた水はまずフィルターでゴミを除去し、六層構造で水をこし、タンクへ貯められます。
お家の下が雨水を貯めるタンクになっています。湿気や結露は全くなく、そして何よりも貯めたお水の綺麗なことにびっくりしました。8年間で溜まったゴミは1センチほどだそうです。

駐車場もタンクになっていて、とにかくコンクリで固めていないので、お庭全体がとても自然で素敵でした。生物も沢山いるそうです。
雨水ビオトープもとても素敵でした。

今後も大規模な自然災害が日本を脅かす中、雨樋の水を直接下水に流し込まない、時間差で流すことの重要性や、都心の0メートル地帯の場所は、電車が計画運休をしてしまうと命に関わる事など、いろいろお話を聞かせていただきました。そして何より雨水活用の必要性、新しい施設を建てるときには災害を見越して雨水活用を積極的に取り入れ、地域の防災拠点にするべきであると改めて感じました。

 

午後は大牟田市で居住支援についてお話を聞きました。面積は全く違うけれども人口はほぼ同じである大牟田市。

居住支援の目的は、「暮らし」の基盤を整えること。

高齢化や空き家率の増などの問題と同時に、高齢者、障がい者、低所得者、離職者などの住宅確保要配慮者も増加傾向にあり、住宅確保要配慮者が基盤となる住宅を円滑に確保できない問題が発生しており、住宅確保要配慮者への円滑な住宅提供が喫緊の課題となっています。空き家と福祉医療かんけい、不動産関係、そして行政が課題を共有し、協働して住宅確保要配慮者への居住支援を取り組む必要があると、居住支援協議会を立ち上げました。

大牟田市の特徴は流通していない空き家に着目して空き家活用を進めていくことで、家賃を低く設定し、事務局を社会福祉協議会が担っていることです。

それだけでなく居住支援関係団体には介護サービス事業者、認知症サポートチーム、介護支援専門員連絡協議会、障がい者自立支援協議会、社会福祉士会、社会福祉協会、司法書士会、大牟田市ライフサポートセンターと、ありとあらゆるところと不動産関係団体、行政が繋がって、支援を行っているところがすごいと思いました。

空き家所有者への意向調査や、実態調査など、きめ細かい調査が行われて、分析もした結果、約1000戸は活用可能ということがわかったそうです。

地域包括ケアシステムもきめ細かく進めており、そこに居住支援の仕組みを入れているとこは昭島市にはないところです。

行政職員が課題を汲み取って行動することの重要性を非常に実感しました。
大牟田市の建築課の課長さんは福祉課を経験することにより、居住支援の重要性、間にいる人への支援を実感して、居住支援を立ち上げることに。高齢化も高く危機感があったこともありますが、行政職員が3年くらいで配置換えになる事の重要性を改めて実感しました。

昭島市の10年先を行っている大牟田市。
今どう取り組むかで、昭島市の未来も変わって来るのだと実感しました。