cafeころん
昨年の11月に青梅市にある、cafeころんへ視察をしました。オーナーの哲さんからお話を伺った時のメモを、書き起こしました。
オーナーの哲さんは新規事業や、会社の立て直しの支援のお仕事をされていたいわゆるサラリーマンだった。ご自身が鬱病にかかり、働くことを考え直し、自営で働いて生きていく事を決心した。ちゃんちき堂というシフォンケーキのお店を開いた。ちゃんちき堂は基本はリヤカーで引き売りをする。雨だったらやらない。天気だったら働く。自分が食べる(生きる)分だけ働く。というスタンスで働いている。そんな哲さんが引き売りしている時に一軒の空き家を見つけた。大家さんと話をしてみると、どうやらそこは駐車場になるらしい。何だかもったいないと感じ、哲さんは大家さんと話をして、そのボロボロの空き家を、引き売りで出会った地域の人たちの力とクラウドファンドで見事に素敵に改装した。その空き家は毎日カフェとして利用されている。それがcafeころんである。
カフェをやってみたいと思う人達に毎日日替わりで貸し出されている。カフェをやる人は哲さんからシフォンケーキを10個買う。これがcafeころんを借りる条件だ。これを自身の作ったパンやスープのランチを出して、デザートメニューとしてシフォンケーキをそれぞれその日のお店の方がデコレーションなどをして売る。カフェをやりたい人達のスタートの場、実践出来る場所である。ここでお客さんを見つけて、どこか別の場所でしっかり自分のカフェを持てるようになっていってもらう事がcafeころんの目標だ。そしてそのカフェをでて、家の周りを歩くと細い道があって、木で「ひみつ」と書いてある場所がある。オーナーの哲さんのシフォンケーキの売り場だ。生憎視察に行った日は雨で、店の中でもシフォンケーキが買えたのだが、わざわざ濡れながらひみつの場所でシフォンケーキを買った。なんて秘密はいい気分なのだろうか。雨が降って寒くても買った私の顔はホクホク顔である。
店全体が本当に秘密基地のような場所で、カフェ以外にも、中庭にはかわいいツリーハウス、その後ろには映画会が出来るような場所も併設しており、いろいろな市民団体の上映会などもされている。
まちを元気にしたい。オーナーの哲さんはシャッター街になっていく青梅の駅前を見ながら、自分がリヤカーで引き売りし続ける為には、街が元気になる事が必要だと考えている。自営で生きていく事は大変だ。でも自営で頑張る人を増やしてまちを活性化したい。だから自営業を支える支援、仕組みが必要だと哲さんはいう。1人だけでやっているといちいちリスクが高い。小さな失敗がたくさん出来ない。でも、成長する為には小さな失敗を沢山することが必要である。小さな失敗が沢山出来るように、自営の人を応援する低リスクで実践出来る場所。cafeころんはそんな場所である。