抱樸その2

NPO法人抱樸の視察をしてきました。

7事業の説明をしていきたいと思います。

1、相談事業 抱樸では毎週火曜日に定例相談を行なっています。また、炊き出し時のよろず相談、NPO抱樸生活困窮者自立支援法自立相談窓口、NPO各事業所からや、生活保護課等、また、そのほかの地域資源(包括や児相など)と、多種多様な部分で相談事業をしています。やはり、生活に困窮した時、どこに相談したらいいのかわからない、ということがあると思います。窓口がたくさんあるということはすごく重要です。

2、物件確保 一般不動産市場における物件確保をします。この方法は空き家バンクよりも有効だそうです。そして自立支援居宅協力者の会というものもあり、北九州、福岡で53社が加入しています。NPOと不動産業社による見守りも行われています。これはニーズに合わせた物件選びや家賃滞納の早期発見、サポートを行うものです。なんと言っても、問題を必ず抱樸がするということ、確実な生活支援を行うことで信頼関係ができてきます。

3、債務補償事業 審査で落とさない、生活支援付き保障ということで、物件確保にもつながりますが、住宅確保要配慮者の居住喪失を防ぎます。抱樸と債務補償会社が連携して生活保障と家賃保証の新しい枠組みを作りました。オーナーさんや、不動産会社のリスク(滞納や原状回復)を保証すると同時に契約者の生活危機情報を早期にキャッチして生活支援へつないでいきます。月二回のオートコールで安否確認を行い、確認できなければ抱樸へ連絡がいくようになっています。契約者の相談、見守り、緊急対応を行なって安定的な日常生活を伴走していきます。

4、入居支援、マッチング支援では、2017年度の居住支援実績は年間相談件数364件、入居者は229人。凄い実績であると思います。

5、総合的生活支援、NPO「自立生活サポートセンター」の直接支援が行われます。就労支援、定着支援、福祉事務所との連携や健康状況確認、親族・地域との交流支援、他法活用による支援(年金受給、雇用保険、傷病手当申請、障害者手帳の取得支援など)、法律、人権支援(債務法律相談、逮捕拘留時の弁護士連携)、定期訪問、互助会連携、看取り支援などを行います。「自立したものは1人で死なない、1人で死なせない」ということから葬儀社や宗教の連携で、葬儀、納骨まで行います。そして金銭管理支援で生活の維持を支援します。アディクション対応(ギャンブルやアルコールなど)本人の同意前提で、一人一人に金銭管理を行います。自立支援法の家計支援とは違います。一昨年の年間対応件数は14.104件(700名)。日常的金銭管理は268名、積み立て管理支援は187名になっています。

6、共生地域連携事業として、総合ケースカンファレンスの実施、地域の連携やネットワークを構築しています。生活保護、ケースワーカー、介護事業所、互助会、ボランティア、地域やコミュニティ、就労先の担当者などとNPOの支援員がつながってその人を支援します。

7、看取り・葬儀支援事業はサポートセンターが看取りをすることや、ボランティア部がお見舞いや看取りをしてくれる、サポートセンターが死後の事務を請け負う、互助会葬、葬儀社との協力、家財処分、東八幡キリスト教会納骨、偲ぶ会の開催などが行われています。

また、断らない見守り支援付き住宅「プラザ抱樸」も運営しています。単身生活が可能であるけれども日常的な見守り、および生活支援が必要な方を想定しています。マンションの空いた部屋を買い取り、全部屋リフォームをして、住宅提供も行っています。ホームレスや高齢単身、障がい、生活困窮、母子、DV、社会的養護など対象者を限定しないで入居できるようになっています。

様々な事情により住まいに困る方が増えています。抱樸さんの支援がある事によりたくさんの方が安心して生活ができるようになっています。

支え合いのネットワークがあることにより、一人一人に寄り添ったきめ細かい支援に本当に感動しました。

ホームレスとハウスレスという考え方で、自分の安心できる場所がないホームレスに注目して、人とのつながりを大事にして活動を続けている抱樸さんの活動は本当に素晴らしいと思いますし、各地域でこう言った場所があることが必要だと強く感じました。