会派視察3 大牟田市のESD教育の取り組み
- 最終日は大牟田市のESDについて視察して参りました。今大牟田市さんの視察で1番多いのがESD教育だそうです。大牟田市さんは全小中学校がユネスコスクールに加盟し、学校ごとに特色ある教育がなされています。
「Education for Sustainable Development」の略称であるESDは「持続発展教育」という名前に訳されています。
ESDは、2002年に国が提案した新たな教育理念です。地球環境を保全でき、持続可能な社会づくりの担い手となる人間を、初等中等教育の段階から育成することを目指すものだそうです。もちろんSDGsにも市を挙げて取り組んでいます。
世界遺産としても有名な炭鉱をテーマとした学校や、高齢福祉に重点を置いている学校。様々な大牟田市の特色について学び、考え、そして子どもたち自身が行動する機会を与えてそれを学校が応援します。
世界遺産をテーマとした学校は日本に来た観光客が大牟田市にも訪ねてきてほしいと、炭鉱のアピールを自分達の修学旅行の時に企画、資料を作り、アピールするための英語を自ら学び、修学旅行先で大牟田市のアピールを実施したそう。
また、福祉に重点を置いている学校では、子ども民生委員として活動し、市もそれを応援して、委嘱状を子どもたちに渡して活動の後押しをしたそうです。
もともと自尊心が低かった大牟田市の子どもたちが、学び、考え、行動する事で自尊心が芽生え、物事を積極的に捉え、地域で活動する事で、大人たちも影響されて地域が変わっていくという好循環が生まれていきます。
子どもたちの行動力はまちをも変えていくのだと改めて実感しました。
また、子どもたち自身が、「意見が違っても相手の言うことに耳を傾ける、否定をしない」というルールを作り出したという話は本当に感動しました。ESDの凄さを実感しました。
全小中学校が取り組むということで、最初は学校側からの不安もあった中、今までやっている事を少し発展させる、という無理のないかたちであったこと、学校側もESDを理解し、ESDに取り組むことでだんだん生徒たちの変化を実感したことで、理解を得ているそうです。
最初にESD教育を体験した子どもたちは現在高校二年生、軒並み成績は学校のトップクラスだそうです。小中の学力は思いっきり変化はないものの、徐々に上がっているそうです。
学力もそうですが、私は子どもたちの自尊感情が上がり、相手のことを思いやりながら自ら行動できる人になっていく事が素晴らしいと思いました。まさに生きる力を育む教育だと思います。
三日間の視察を終えて、昭島に帰ってきました。視察で得た学びを次の質問に活かしていきたいと思います。