環境影響評価の審議会日程とデータセンターの危うさ
環境影響評価の審議会の第一回の日程が決定しました。11月30日の午前10時からです。
オンラインでの開催となり、今回はGLPの調査報告書についての説明だけが行われるそうです。
次回の開催は未定とのことです。お時間がある方はぜひ申し込みの上、ご視聴をよろしくお願いいたします。
https://www.metro.tokyo.lg.jp/tosei/hodohappyo/press/2022/11/24/22.html
残念ながらこの日は昭島市議会の本会議中で観ることができません。
さて、「噂の!東京マガジン」でデータセンターのことが扱われていたとのことで視聴しました。
以下はその内容となりますのでテレビをご覧になられた方には既出の情報かと思いますが、見ていない方のために内容について書いています。
データセンターとはどんなものかというと・・・
LINEなどのSNSは送信者から受信者に直接送られるわけではなく、必ずある施設を経由するそうで、それが「データセンター」なのだそうです。
クラウドでの写真保存やYouTube、インスタグラムなどの配信にも必要で、さらに金融、医療、交通、行政サービスなど様々なデーターの情報処理にも欠かせない重要な社会インフラとのことです。現在国ではデータセンターの建設を推し進めているのだそうです。
(昭島市での建設環境委員会の市の答弁ではデータセンターがどんなものなのかまだわからないと答弁がありました。)
内容は千葉県柏市と流山市でデータセンターが出来るということで反対運動が起きていることを伝えるものでした。
最初に千葉県の印西市のデータセンターが伝えられ、印西市ではデーターセンター銀座と呼ばれるデーターセンターが集まっている場所があるそうです。INZAIとして世界に知られており、建物の周囲には住宅はないそうです。
問題となっている柏市では閑静な住宅街に隣接してデータセンターの建設が進んでいるそうです。高さ37mの建物が4つできるとのことで、工事期間は8年、現在も大型トラックがたくさん通り、騒音に悩まされているそうです。ある住人の方のお話では建設工事の中で杭を地中深くに打つために振動がすごく、住宅にひびが入っているそうです。完成した後もスーパーコンピューターの設置の為熱が出るので、室外機があり24時間365日稼働するため異音の発生の心配があるとのことです。
そして、非常用電源として使われる発電機の試運転が行われていました。一基だけの試運転だそうですが、爆音が住宅地に轟いており、灰色の煙が出ていました。1棟のデータセンターに非常用電源は7基あるそうで、今後28基の非常用電源が設置されるそうです。
そしてこの発電機は緊急のものではありますが、毎月一回定期点検があるそうで、緊急時だけではなく、毎月その音を聞かなければならないと不安の声が聞かれました。また、発電機用の為に重油を備蓄させるようで危険があるのではないかと述べられていました。
一方流山市では市役所の目の前の土地に建設計画が上がってきており、静かで鳥の声も聞こえる住宅街になぜ立てなければならないのかという疑問や、市役所よりも大きいデーターセンターが立つために騒音、圧迫感の不安、また国外であったデータセンターの火災などの事故の危険性も考えられると市民の方がお話されていました。
ここまで観て感じたのは、昭島で建設されるデータセンターは9棟、柏市の2倍以上のデーターセンターが建てられ、データセンターの為に変電所まで設置されようとしています。玉川上水を挟んですぐそばには住宅街が立ち並びます。周辺の方にどのような被害が及ぶか、その間にある玉川上水の生態系にはどんな被害があるのか・・・また、データセンターの火災についても重油を備蓄することももちろん危険ですが、バッテリールームからの火災が現実に起こっていることから、不安しかないというのが正直な感想でした。
もちろん、昭島の計画はまだどんなものになるか計画が細かく出ていませんので、わからないことにおびえる必要はありませんが、冷静にしっかりと考えるため情報は持っておくべきだな、と改めて感じています。
流山市の建設地区は第一種住居地域で12m以上の建物は立たないはずだったそうですが、商業地域に用途変更したことで高さ31mまで引き上げられデータセンターの建設が可能になったそうです。柏市でも市街化調整区域だったそうですが、柏市は地区計画の変更により建設可能になったそうです。市民の方は、普通は住宅地ではないところに建てられている。途中で計画を変更されてしまうならば市民は信用できなくなると話しており、全くその通りであるなと感じました。
昭島市はもともと準工業地域という、比較的縛りがゆるい設定の場所の為にこういった計画が出てきてしまっているので、柏市や流山市とは事情が少し違いますが、住民の方たちの訴えに非常に心が痛みました。
実際、アメリカのバージニア州では周辺住民の方や市民団体の方々が、データーセンターの空調の騒音を訴えて社会問題になっているそうです。
なぜデータセンターをわざわざ住宅地に建設するのかという質問に、
都市計画マスタープラン通りだという回答がありました。何という回答か!と怒りがわきましたが、昭島市では都市計画マスタープランとは全く違う計画になっているので、そこはしっかり訴えていかなければならないと改めて感じています。
賛成の市民の方の意見もありました。市にメリットがあるとおっしゃっていました。市の発展のために役立つ、税金も増えるので直接ではなく間接的に我々に帰ってくる、固定資産税は億単位という噂もあるそうです。(市に確認しなければならないところだと思います。)
周辺の人だけが問題にしているだけで、ほかの人たちは何とも思っていないのだとおっしゃっていました。また、騒音もまだどうなるかわからないという発言が取り上げられていました。「ほかの人たちは何とも思っていない」という意見がとても悲しかったですが、いろんな意見があるのは当たり前のことなので、そういう考えを持つ方もいるとは思います。
確かに昭島でも雇用が増えるし、税収は増えるし、いいじゃないかという声も聞きます。しかし、物流センター6棟、データセンター9棟はあまりにも大きすぎるのではないでしょうか。交通問題、環境問題、まちのブランドの問題など、まち全体の問題であり、一部の人たちだけの問題ではありません。近隣自治体まで巻き込む問題です。あらためてとても大きな問題であると実感していますし、まだこう言った現状を知らない方々もいらっしゃいます。たくさんの方々へ伝えていかなければならないと決意を新たにしました。
番組では最後に東京大学大学院の情報理工系研究家の江崎浩教授にインタビューをしており、「国はデータセンターを増やそうと推進しているが思い通りになっていない。デジタル田園都市構想(デジタル田園都市国家インフラ整備計画)の中でデーターセンター建設に1000万の補助金を出している。総額で1000億円。多くのデータセンターが関東に集中しており、そうなると首都圏直下型地震が来るとダメージが大きい。なのでリスク分散の為地方にもっていくということで補助金が設定されているので、東京、埼玉、千葉、神奈川では補助金が出ない。ではなぜ補助金が出ないのに首都圏に作るのかというと、大きなデータセンターは首都圏から遠く、人が住んでいないところに設置された方が安いのだが、すぐに駆け付けなければならないコンピューターがある。そういったコンピューターは遠くに置いてしまうと対応が遅くなってしまう。今後も首都圏の住宅地に建設される可能性がある。必要なのは周辺住民にメリットを示し理解を得ることだ。データセンターは非常に大きなバッテリーを持っているようなもので、停電したときに電気を提供してくれる。大地震が起きても動きつづけられるような耐震構造にしているために避難所としても使える。」ということをおっしゃっていました。
私は今回の計画では昭島市としてデメリットの方が大きいと感じています。大きな、通常であれば人が住んでいないような場所に作られるはずのデータセンターが住宅地の近くに、市の真ん中にできるのです。どんな影響があるかわからないですし、できてしまってから被害が報告されても遅すぎるのです。確かに周辺住民だけの問題ととらえる方もいるかもしれませんが、影響はそれだけではないとすでに計画からわかっています。昭島の掲げる「水と緑のまち」にはふさわしくないのです。また、もともとこの地域は広域避難所の地域です。メリットとはとてもいえないのではないでしょうか。
物流センターだけでなく、データセンターにもこのような懸念があることを皆さんに知っていただきたいと思い、急遽HPに上げました。
ぜひ、昭島市の物流センター開発についてご家族などで話し合ってみていただきたいと思います。