建設環境委員会視察①

1日目は三豊市のトンネルコンポストについて見学をしました。三豊市では全国初の処理方式と、民間委託への挑戦として「バイオマス資源化センターみとよ」を平成29年から稼働しています。以前は広域行政組合で焼却処理を行なっていたそうですが、ゴミ=燃やす=埋め立てると言うことに疑問を持ち、「ゴミは全て資源」と言う考え方に至ったそうです。

2010年12月から2011年1月まで2回のプロポーザルを実施し、8社の応募の中からトンネルコンポスト方式を選定。2011年11月から2012年1月で業者選定のプロポーザルで株式会社エコマスターを選定しました。

トンネルコンポストの特徴は残渣等の発生が少なく、資源化効率が高いこと、生物脱臭で臭気を抑制、処理水が発生しない、CO2排出抑制、ダイオキシンが発生しない、初期投資費用が安価、化石燃料の使用を抑制するなどにより施設運営費用が安価などのメリットがあります。

三豊市の燃やせるゴミは一年で10,780t、そのうち燃料となるのが4,114t、500tが処理不適物として埋立処理が行われています。

燃やせるゴミを破砕、発酵促進材と混合し発酵させ、取り出して各種選別し固形燃料と、処理不適物にわけ、燃料は製紙工場へ送られます。臭気は作業所内の空気をバイオトンネルが吸引し、バイオフィルターは送られます。バイオフィルターは木質チップが敷き詰められており、微生物の力で臭気が分解され、脱臭されて大気は放出されます。このバイオフィルター、本当に臭いません。ほんのり温かく、木の香りがするだけです。これはすごいと感動しました。

イタリアから実証機を輸入し31回の実証実験、市による技術検証(JARUS・香川大学)、脱臭の技術検証(山梨大学)と実験と検証を重ねて現在の形となりました。

合意形成は市議会でゴミ処理問題調査特別委員会議立ち上がり、地元自治会、三豊市、(株)エコマスターの3社で協議会を設置して1年間の協議を経て環境保全協定者が締結されました。

このゴミ処理施設は民設民営で行われており、全国的にも稀です。税金による巨額の整備費用が不要でランニング費用のみになっています。安価な理由は簡素な構造、製品製造施設が不要、作業員が少ない(8人)コンピューター制御の為だそうです。

民設民営ということで専門家のサポート体制があり、弁護士、中小企業診断士、コンサルタントがつき、市と委託業社で調整を図っていきます。

基本協定書が締結されており、一般廃棄物全量の処理、用地取得、市内雇用、処理単価、財務内容の開示等を規定しています。その他整備協定、試運転契約書、モニタリング計画などさまざまな協定が結ばれています。業務委託計画では5社契約となっており、三豊市と、株式会社エコマスター、エビス資料株式会社(燃料製造)、株式会社パブリック(燃料製造)、株式会社クリーンダスト(不適物の最終処分)で、平成29年から20年の契約を締結と、債務負担行為(複数年契約締結のため財務的な裏付けが必要)の設定がされています。

事業効果はリサイクル率が62.3%と全国3位、温室効果ガスが年間で以前より6,500tのCO2を削減となっています。

今後の課題はリスクとして経営難、ゴミ量の減少などが挙げられますが、市による財務モニタリングと運営モニタリングを続けていくことで対策をしていくとしています。

今回の三豊市では、燃料製造と使用する会社があったことにより、このような事業が行われているのだなぁと感じました。燃料を製造し、どこへ送るのかなど、昭島市に持ち込むには課題もかなりあるなと実感しました。

昭島市でも、清掃工場を延命化して使い続けていますが、次はどのようにしていくかしっかりとした検証が必要です。私はまちで出たゴミは、そのまちで処理することが理想だと思います。どのように行なっていくのか、今回の三豊市の例も参考に、しっかり考えていきたいと思っています。